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日本メナード化粧品、刺激に敏感な肌を再現した新たな皮膚モデルを開発!

日本メナード化粧品株式会社(愛知県名古屋市中区丸の内3-18-15、代表取締役社長:野々川純一)は、三次元培養表皮モデルの作製にゲノム編集技術を応用することで、様々なレベルのバリア機能を持つ表皮モデルの開発に成功しました。この技術により、バリア機能が異なる肌状態に対する研究や化粧品の評価が安定して行えるようになると期待されます。

バリア機能が低下したモデルの開発に成功バリア機能が低下したモデルの開発に成功

肌には、乾燥や外部刺激から肌を守る「バリア機能」が存在します。バリア機能が低いと肌が乾燥したり、刺激に敏感になったりするなど、バリア機能は肌状態を左右するため、皮膚研究や化粧品評価に重要です。また、化粧品の研究開発にはヒトの皮膚を再現した「三次元培養皮膚モデル(※)」が広く用いられますが、バリア機能が高い肌、低い肌といった異なる肌状態を安定して再現することは困難でした。
 

  • ゲノム編集を応用した三次元培養表皮モデルの作製

ゲノム編集は遺伝子配列を自由に操作できる技術です(資料1)。今回、三次元培養表皮モデルの作製に用いる表皮幹細胞に対して、肌のバリア機能に関連する遺伝子(フィラグリン遺伝子)をターゲットとしてゲノム編集を行い、バリア機能が低下したモデルを開発しました。さらに、正常な幹細胞とゲノム編集した幹細胞を組み合わせることで、様々な段階のバリア機能を再現することにも成功しました(資料2)。これらのモデルは、これまで検出が難しかった低刺激性物質の評価モデルなどへ応用が期待できます。
今回開発した技術は、肌状態の違いや個人の肌質の違いに対応した美容サービスや化粧品開発に応用してまいります。

※細胞から作製する、皮膚構造を再現したモデル。メナードでは2003年から培ってきた幹細胞の培養技術を活かし、よりヒトの皮膚に近い独自のモデル作製に取り組んでいます。

(資料1)ゲノム編集技術について
ゲノム編集は、DNAを切断する酵素とその酵素を任意のDNAの領域に運ぶ塩基配列(ガイドRNA)を同時に細胞内に導入し、目的の部位で遺伝子を変化させる技術です。従来の遺伝子組み換え技術と比べて遥かに高精度で効率が良く、病気に強い農作物への品種改良や、治療が困難であった遺伝的な疾患の治療方法の開発に応用されるなど、様々な分野に貢献できる技術として注目されています。

(資料2)ゲノム編集を応用した三次元培養表皮モデルの作製
表皮のバリア機能は複数の因子によって維持されています。その中でも特に重要なフィラグリン(※)に注目して表皮幹細胞の遺伝子編集を行い、機能が低下した未熟なフィラグリンしか作れない表皮幹細胞を作製しました。この細胞を用いて作製した三次元培養表皮モデルは組織構造が薄く、また、外部からの物質を容易に通過させるといったバリア機能が低下した表皮の特徴を示すことが明らかとなりました。
※フィラグリン:表皮細胞が産生するタンパク質のひとつ。表皮の水分保持や構造維持などさまざまな働きをする。

図1 ゲノム編集を応用したバリア機能低下モデル図1 ゲノム編集を応用したバリア機能低下モデル

さらに、正常な表皮幹細胞とフィラグリン遺伝子編集幹細胞とを組み合わせることで表皮モデルのフィラグリン量が調節でき、従来では困難だった“バリア機能のレベルを制御する”ことが可能になりました。様々な肌状態を再現できるため、今まで検出が難しかった低刺激性の物質にも応答するモデルなどへ応用が期待されます。
 

図2 様々な高さのバリア機能を持つモデルの開発図2 様々な高さのバリア機能を持つモデルの開発