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第7回「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」が決定!

一般財団法人山本美香記念財団は、5月5日に第7回「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」の選考会を行ないました。その結果、本年度は本賞と奨励賞の2作品の顕彰を決定。

第7回「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」、および「山本美香記念国際ジャーナリスト賞・奨励賞」を、下記の受賞者に贈呈することに決定しました。

<本年度の受賞者および対象作品>

「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」

ジャーナリストの坪井兵輔氏(48)による、在日コリアン二世のソプラノ歌手の歩みを丹念に描いた著書、「歌は分断を越えて 在日コリアン二世のソプラノ歌手・金桂仙」(新泉社刊)

正賞 :賞金30万円、受賞盾

坪井兵輔さん

「山本美香記念国際ジャーナリスト賞・奨励賞」

ジャーナリスト/ドキュメンタリー映画監督の大矢英代氏(33)による、沖縄戦において強制疎開させられ、マラリアで命を落とした八重山諸島の人々の歴史を掘り起こした著書、「沖縄『戦争マラリア』―強制疎開死3600人の真相に迫る」(あけび書房刊)

正賞:賞金10万円

大矢英代さん

・選考委員:川上泰徳(ジャーナリスト、元朝日新聞中東アフリカ総局長)、最相葉月(ノンフィクション・ライター)、関野吉晴(探検家)、野中章弘(アジアプレス・インターナショナル代表)、吉田敏浩(ジャーナリスト)

<選考委員講評>

坪井兵輔氏「歌は分断を越えて 在日コリアン二世のソプラノ歌手・金桂仙」

この作品は、在日コリアン問題が国際ジャーナリズムの重要なテーマであることを再認識させてくれた。朝鮮半島と日本の国境を越え、社会の偏見・差別による分断も越えて、懸け橋となるべく懸命にその歌を届けようと試行錯誤する姿が丹念に描かれ、引き込まれる。

日本と韓国・北朝鮮、在日という国や社会の関係性の中で生きる。しかし個人の中に多様性を抱えることが実はどれほど苦しいことか。ヘイトや社会の分断が顕著化するいま、旧来のテーマでありながら現代性と普遍性を持つこの作品は受賞にふさわしいと考える。

大矢英代氏「沖縄『戦争マラリア』―強制疎開死3600人の真相に迫る」

沖縄戦における防諜対策で強制疎開させられた八重山地方の島民が、3600人以上もマラリアで死亡した。現地に長期滞在する中で住民と交流し、丹念に取材を重ねて戦時下の歴史を掘り起こした。近年の八重山への自衛隊配備が再び島民に戦争の犠牲を強いかねない状況にも警鐘を鳴らす。将来性に大いに期待が持てるジャーナリストの登場を感じた。

<授賞式、およびシンポジウム>

5月26日(火)に予定していた、今年度の授賞式、および受賞者を交えたシンポジウム「ジャーナリズムと民主主義」は、新型コロナウイルス禍における状況をふまえ、開催時期を決めずに延期と決定いたしました。

今後の状況の推移を見つつ、改めて開催時期を検討し、発表いたします。

<山本美香記念国際ジャーナリスト賞>

2012年8月20日、シリア取材中に凶弾に倒れたジャパンプレス所属のジャーナリスト・山本美香の遺志を継ぐべく創設。世界中で起こっている様々な紛争や抑圧、災害や貧困などの下で暮らす様々な人々の生きる姿を伝える優れた国際報道を担うジャーナリストの支援、育成を目的とする。

世界の不正義や不条理に対して何がどのように不正義で不条理であるのか、伝聞ではなく自分自身の目と耳でとらえ、世界中に発信しようとするタフな行動力。また、それらの国々や地域において、生死のはざまをそれでも懸命に生きていこうとする人びとの姿を深い共感をもって世界中に伝えようとするヒューマニスティックな視座。本賞はその二つを併せ持つ国際報道をおこなったジャーナリストを選考の対象とし、受賞者には楯と賞金30万円を贈呈。

一般財団法人山本美香記念財団ウェブサイト: http://www.mymf.or.jp/