アート・デザイン その他ライフスタイル ライフスタイル 社会・政治・経済

写真家・石塚元太良の個展開催。アメリカ、カリフォルニア州とニュージーランドで撮影した〈ゴールドラッシュ〉シリーズの新作を発表。

国内外の先鋭的アーティストの作品を発信するギャラリーKOTARO NUKAGAは、写真家・石塚元太良の個展「Gold Rush California/NZ」を2020年7月11日(土)~8月29日(土)に開催いたします。

石塚は10代の頃から世界を旅し、大判フィルムカメラで極地方のランドスケープを撮影してきました。ドキュメンタリーとアートの境界を横断するように、ランドスケープが詩情的なイメージを想起させる独自のスタイルは「コンセプチュアル・ドキュメンタリー」と評されています。

Gold Rush California #001, 2019/2020, 1200×1485mm (C)Gentaro Ishizuka

Gentaro Ishizuka, Gold Rush California #001, 2019/2020, 1200×1485mm (C)Gentaro Ishizuka

今回発表するテーマは〈ゴールドラッシュ〉。1848年、アメリカ・カリフォルニア州で始まった現象であり、一攫千金を狙う多くの人々が金脈を追って移住した結果、アメリカの経済や人口移動に大きな影響を及ぼします。その後、世界各地で辺境の地に富を求めて、人間が自然を開拓していきます。

石塚の探究は2011年、アラスカ全土に点在するゴールドラッシュの遺物を撮影したことに始まります。パイプラインや氷河という、ランドスケープの中で自ら選んだ被写体を追い続けるアラスカの地で石塚が発見したのは、訪れる街の多くがゴールドラッシュ由来であること、山道の多くは発掘者たちが山に入った時に拓かれた路であること、つまり現代のアラスカの下には「ゴールドラッシュ」という歴史的地層が横たわっていることでした。その後、発祥の地であるアメリカのカリフォルニア州、さらにはニュージーランドへと、異なる時と場所からのアプローチが続いています。今回は、2016年以降に撮影された〈ゴールドラッシュ〉シリーズからの新作発表となります。

雄大な山々や川というおよそ150年前とほとんど変わらないランドスケープとは対照的に、かつて栄えた街は廃墟となった建物に名残をとどめます。崩れかけた小屋、埃を被ったテーブルの上には食器がそのまま残され、当時そこにあった人間の営みが、時空を超えて目の前に立ち上がってきます。過去から現在へと至る時の流れは一本の主流だけではなく、歴史的な出来事の背景には、風土に根ざした一人一人の細やかな営みが存在します。重層性と時事性をもって歴史を紐解いた時に目の前に新たな景色が開ける感覚を、石塚は写真という手段で捉えようとしています。

また、8×10という大判フィルムカメラで撮影された石塚の写真は、わたしたちの視覚に揺さぶりをかけます。大判カメラの特性を生かした緻密なピント調整によって、実際にはあり得ない光景が写真の上で作り出されています。まるで「時空を歪ませる」ように撮られたそれらの写真は圧倒的な存在感と驚くべき深度で目前に迫り、観る者をイメージに没頭させます。それこそが、遠く離れた場所にまで大型の機材を抱え撮影に臨む石塚の重要な意図でもあります。

辺境地を切り開き、土地を掘り尽くした歴史の残像からは、夢や情熱の儚さやいつの時代も変わらぬ人間の業といった側面も見て取れます。現代に生きるわたしたちは、その痕跡に何を感じることができるのでしょうか。新たに開かれた視点で、100年前そして100年後という遥かなる時と遠い場所に思いを馳せるきっかけとなれば幸いです。

■開催概要

石塚元太良「Gold Rush California/NZ」| Gentaro Ishizuka Gold Rush California/NZ

会期 :2020年7月11日(土) ― 8月29日(土)

時間 :12:00-18:00

休廊日:日・月・祝日

    ※期間・時間は国や自治体の要請等により変更の可能性があります。

■会場

KOTARO NUKAGA

〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F

アクセス:東京臨海高速鉄道りんかい線「天王洲アイル駅」B出口から徒歩約8分/

     東京モノレール羽田空港線「天王洲アイル駅」南口から徒歩約10分/

     京急本線「新馬場駅」北口から徒歩8分

■アーティスト

石塚元太良 Gentaro Ishizuka

1977年東京生まれ。写真家。10代の頃から世界を旅し始める。1999年にバックパッカー旅行でアフリカとアジアを縦断しながら撮影した『Worldwidewonderful』(Gallery Niepce、2001)でエプソンカラーイメージングコンテスト大賞受賞。2002年、世界を東回り西回りで2周しながらデジタル画像の位相を捉えた『Worldwidewarp』(ビジュアルアーツ、2001)でヴィジュアルアーツフォトアワード、日本写真家協会新人賞を受賞。2006年、アラスカのパイプラインを撮影したシリーズ『Pipeline Alaska』(プチグラパブリッシング、2007)の展覧会と同名写真集が出世作となる。2011年度文化庁在外芸術家派遣。『PIPELINE ICELAND/ALASKA』(講談社、2013)で2014年、東川写真新人賞。2016年、Steidl Book Award Japanでグランプリを受賞、『GOLD RUSH ALASKA』を2021年に刊行予定(Steidl)。

■作品

Gold Rush California #002, 2019/2020, 960×1200mm (C)Gentaro Ishizuka

Gentaro Ishizuka, Gold Rush California #002, 2019/2020, 960×1200mm (C)Gentaro Ishizuka

Gold Rush California #004, 2016/2020, 760×900mm (C)Gentaro Ishizuka

Gentaro Ishizuka, Gold Rush California #004, 2016/2020, 760×900mm (C)Gentaro Ishizuka

Gold Rush New Zealand #002, 2016/2020, 1200×1485mm (C)Gentaro Ishizuka

Gentaro Ishizuka, Gold Rush New Zealand #002, 2016/2020, 1200×1485mm (C)Gentaro Ishizuka

Gold Rush New Zealand #003, 2016/2020, 1200×1485mm (C)Gentaro Ishizuka

Gentaro Ishizuka, Gold Rush New Zealand #003, 2016/2020, 1200×1485mm (C)Gentaro Ishizuka